2005年12月05日

日本の現実はファベーラの住民と変わらない



久しぶりにブラジルの話題である。興味のない方はスルーしていただいて構わない。単なる野蛮な事件である。あー平和な日本に生まれた私たちは良かったわね、という程度の事件だ。しかし、もし読まれる奇特な方がいたら、世界とはこういうものであることを知って欲しい。

映画の中の話ではない。事実なのである。中国も、ロシアもアメリカも本質的には変わりはしない。日本だって場所によってはこういう所もあるだろうし、歴史をほんの3、40年も遡ればこんな事例はどんどん出てくるはずだ。

こんなことが身近に行われていて、簡単に戦後民主主義は素晴らしいなんて恥ずかしいことを私は言えない。


日本人の大多数は生まれてから、死ぬまで保育器の中で暮しているのだ。外の現実を知らないで、中国許すまじとか、反米とか叫んでいるだけなのだ。外に一歩出れば、いつ、理由なくガソリンぶっかけられて火をつけられるかわかったものではない。正義も何もない。

中国は十何億も人がいて、大昔から大義のためには人を何人殺しても何とも思わないところだ。そしてアメリカは東洋人など何と思っていない国だ。この二つの野蛮な国家にはさまれて、島の中に閉じこもって震えているのが日本という国の現実だ。

こんな現実を、世界中の政治家は見切っている。だから、日本の政治家がどんな(あくまでも私たちの目から見て)立派なことを言っても、鼻先で笑うだけで、決して真面目に相手にはしていないと思う。


まあいい。話が飛躍しすぎた。とりあえずこれを読んでいただきたかった。それだけのことである。

ブラジル・サンパウロから世界へ、そして渋谷:ブラジルの「復讐」
ブラジルでは、「復讐Vinganca」が怖い。

復讐が怖いから、みんな口をつぐんでしまうのだ。

11月29日の夜、リオ・デ・ジャネイロ北部で、バスが燃えた。
燃えたのではなく、焼かれたのである。
そして、乗客5人が死んだ。
まだ、2人の身元がわかっていない。

普通の市内を走っているバスである。


事件はこうだ。
バスは、未成年の男女が手を上げたので、乗客だと思い、ドアを開けた。
そしたら、別の若者が乗ってきて、ガソリンを撒いた。
乗客にもガソリンをかけた。

乗客たちはあわてて降りようとしたが、入り口も非常口も、銃器を持った別の若者がかためていた。
降りることが出来ないようにしていたのだ。
初めから、乗客を焼き殺すことを狙っていたのである。

そして、火を付けた。
幾人かの乗客は、そうした中でも窓を割ったりして、逃げおおせた。
でも火傷を負ったものも多い。

リオ・デ・ジャネイロでは、こういったバスを焼く事件は頻繁に起きているそうである。
しかし、乗客は降ろしたあとに、焼くのが今までの事件である。
この事件の真相は何だったのか。

最初に手を上げてバスを止めた未成年の少女の身柄が今日12月3日に確保されて、自供が報じられた。
「復讐」だという。

それも、「警察」に対する復讐である。
警察が、麻薬組織の取り締まりをやっているのは、毎日のことである。
その取り締まりの中で、「死者」がでるのも、ほぼ毎日のことである。

つまり、この若者達は、仲間の1人が取り締まりの中で警察に殺されたことに対する、「復讐」として、バスを焼いて5人を殺したのである。
何とも、やりきれない理屈である。

通常、麻薬組織はファヴェーラの中に根を張る。
そこに、警察が取り締まりのために侵入してくるのであるが、なかなか住民達の協力を得ることが出来ない。
それは、麻薬組織がファヴェーラの暮らしを守っていたり、時にはパーティーを主催したりと、住民達にとって害があるどころか、役に立つからである。
他の組織が入り込んで混乱が起きたり、警察がやたら目ったら弾を打って巻き添えになるのを嫌い、平和な暮らしを住民達はしたいだけなのである。
失業率の高いファヴェーラでは、麻薬だろうが何だろうが「生活の糧」になるのであれば、それは認めざるを得ない。

だが、今回のように無関係の乗客を犠牲者にしたのでは、「約束」が全く違ってくる。

さて、11月26日に、サンパウロ東部の薬局で事件が起きた。
日が暮れた頃、薬局の前に2台の車がとまり、中に向かって銃を乱射した。



薬局の警備員は、5発の弾を食らったが、重傷ですんだ。
でも、中にいたお客の連れていた子供が死んだ。

実は、この事件の更に1週間前に、この薬局を強盗が襲った。
この警備員が、応戦し、その強盗の内の1人を射殺した。

そしたら、数日後に、その殺された強盗の妻がやってきて「復讐」してやると、店の中や周辺でわめき散らしていったそうだ。
この薬局の近くの商店もそのことを知っており、何か起きるのではないかと恐れていたそうだ。

警察では、正しく「復讐」であろうとみている。

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ブラジルの東北部の小さな街では、二つの憎しみ合っている家族が、復讐に復讐を重ねているといることもあるという。

触らぬ神に祟りなし。
近づかないことが大事なことである。

※ファベーラ(favela):通常「貧民窟」と訳される。最近の日本ではほぼ消滅しているようだが、意図的に報道されていない可能性もある。わからない人は「あしたのジョー」の物語の舞台である「泪橋」を思い浮かべて欲しい。特に、物語導入部における登場人物の暗さは印象的。


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この記事へのコメント
こんばんは。
正直、私は「保育器の中の一人」です。
海外は旅行程度でしか行ったことはありません。
読んでいて鳥肌が立ちました。
「私が何を書いても安っぽい」と思いながらもコメントさせて頂いております。
これが世界の現実なのでしょうね。
よく肝に銘じておきます。
貴重なお話有難うございました。
Posted by 田舎の神主 at 2005年12月06日 22:54
田舎の神主さま。
こんなマイナーな所まで読んでいただき、大変ありがとうございます。
でも、別に私たち、びびって暮しているわけではありません。駐在員で、どうせ3年くらいで日本に帰ることが決まっている人はびびってますが、私のように長期計画で住んでるものが怯えてもし方がないですからね。
日本だって、本当はどうなのかわかりませんよ。拉致問題なんて、あれだけ攫われたのに、最近までほとんど報道されなかったじゃないですか。
Posted by 非国際人 at 2005年12月07日 02:50
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