2005年12月20日

戦後民主主義の軽薄とツケ



先日のエントリーには、大変興味深いTBとコメントをいただきありがとうございました。相変わらず業務が爆発状態にありまして、ほとんどタイトル負けしていますが、お読みください。


戦後民主主義とはなどと大上段に振りかぶってモノを言うと、多くの人にお叱りを受けそうではある。また、幾らでも難しく言うことは可能であるが、私も含め大多数の庶民は物事を難しくなんて考えていないので、できるだけ易しい言葉で表現することが大切だと思う。


〔非国際人的戦後民主主義(気分)の定義〕
・日本国憲法
・高校野球
・ビートルズ
これら三つの気分を水で解いて薄めたものである。この三つは錦の御旗で、これらに対してはほとんど反論する人がいない。というか、ことによっては反動勢力呼ばわりされかねない。


バカにするなと言われることを承知で、敢えてやっている。しかし、団塊の世代も60になってしまった今、私たちの頭の中にある戦後民主主義はすべて上の三つのバリエーションでしかない。マスコミはこれらのイメージを、擦り切れるほど流して我々を洗脳した。

日本で言えば川崎か尼崎のような工業都市の底辺でとぐろを巻いていた、貧乏なアイルランド系の不良少年はいまや神の如しである。反戦平和を語るのにこの人物を何回でも持ち出さざるを得ないところが、余計に終わってる感を強くさせる。


少し敷衍してみよう。ちょっと悪趣味だが、いかに端的に表すかにポイントがある。

1.古いものはすべて封建的の名のもとに切り捨てる
(日本国憲法=伝統からの断絶)

2.その一方で、若者の幼稚な反抗にはやたら理解を示す
(ビートルズ=若者への媚び)

3.しかし結果として、何も解決していない
(高校野球=プロセス主義)


そう書いたら、小泉首相のやり方がこれによく似ていることに気付いた。

1.古いものはすべて〔抵抗勢力〕の名のもとに切り捨てる

2.その一方で、〔自分の〕幼稚な反抗にはやたら理解を求める

3.しかし結果として、何も解決していない


つまり小泉首相こそは、俗流戦後民主主義の申し子であると言える。ヒトラーがワイマール憲法の申し子であったのと同じである。

だから、彼ないし彼のやり方を否定するためには戦後民主主義そのものを疑わなければならないはずだ。いまさら丸山真男など持ち出してどうする。結果としてどうなったかを問うべきであって、そもそもこうあるべきであったなどと言っても薬にもならない。


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この記事へのコメント
おぉ、いつになく爽快に斬り捨てている記事ですねえ。
まさしくご指摘の通りであると思います。
古いものなら全てを壊し、新しいものを取り入れるどころか、破壊の道具に使う。
これが小泉的手法でしょうな。
その結果、残ったものは焼け野原(と言うか更地)。
これが小泉の世の末です。

この記事は実に簡潔明瞭で、非常に良い記事であると思います。
Posted by 諸行無常 at 2005年12月20日 23:40
諸行無常さま
そう率直に評価して頂くと大変嬉しいですね。
私は小泉首相が、妙に女性と若者に媚びているとは前から思っていましたが、その媚び方は、かつての朝日や進歩的文化人のやり方に極めてよく似ていることに思い至りました。
しかし支持者は、利用するだけ利用されて、何のフォローもされないでしょう。我々は経験に学ばなければいけません。
Posted by 非国際人 at 2005年12月21日 05:51
客観的な経済指標から見ると、小泉改革は、着実に成果を上げています。

個人的な好き嫌いは別として、バブル以後の政権では何一つ解決出来なかった成果を現政権は上げています。

私自身も小泉さんの品性には疑問を感じることはありますが、少なくとも金銭的スキャンダルが無い、中国スパイ女性と付き合うような愚かなまねはしていない。

そしていま、国民に多大な犠牲を強いたゼロ金利政策、抗菌投入政策、さまざまな決算処理対策により、膨大な不良資産は減り、株は上昇し、経済界にも明るさが戻ってきました。
ボーナスも久しぶりに増額のようです。

また、マスコミには評判が悪い道路公団民営化と、郵政事業の民営化もスタートしました。
これでお金の流は透明化してゆくことになります。
当然、特別会計に切り込んでゆくことになるでしょう。
ご存知ですか?
財政投融資は、ピーク時40兆円が来年度は15兆円です。

これが現政権の素直に評価すべき改革のマクロ的評価。

しかし一方いたみも大きかった。
僕の義兄は貸しはがしに会って、会社をたたむ羽目になりました。
私は医療業界に身をおいていますが。来年4月からは食べてゆけるかどうか不安です。

また私の友人は失業以来3年。
56歳になってバイト生活です。
貧富の差がどんどん拡大する一方です。
全て規制緩和することで国民が幸せになれるわけではないことは明白です。

宮内のような大企業経営者が我田引水の規制緩和を政府に諮問していますが、もっと庶民の立場から国民経済を語れる人をブレーンに活用しないと、日本はアメリカのような貧富の差の大きな治安の悪い国になってしまいます。

これが現政権のマイナス点です。

客観的に是々非々で時の政権を評価してゆかないと、まるで朝日新聞のようになりますよ。

Posted by とんぼ at 2005年12月22日 10:38
ビートルズの音楽が語るに足りようと足りまいと、どっちでもいいのですが、あれは「ええじゃないか」みたいなものだと思っています。閉塞の時代に、若者のガス抜きとして機能したツールの一つです。
最近、ジョン・レノンがいろいろなロック曲をカバーしたのを集めたCDを聞いたのですが、正直、どれもオリジナル曲よりよほどいいです。
結局、音楽的にはそう評価できるものではないからそう聞こえるのかな、とファンが聞いたら激怒しそうなことを感じました。
ただ、ごちゃごちゃ言いつつも、聞き込んでいる自分がいるわけですが。

ちなみに、戦後民主主義なんてなかったと思っています。戦後官僚主義ならありましたが。
もちろん、庶民文化はあり続けましたが、戦後は戦前とは比較にならないほどの官僚支配の歴史でした。
Posted by takeyan at 2005年12月23日 00:40
>takeyanさま
コメントありがとうございました。遅くなってしまって大変申し訳ございません。
私も音楽はいろいろ聞いてきましたし、それらしいことも言おうと思えば言えますけど、長い目で見たら、結局一種の「ええじゃないか」みないなものという貴殿の結論に同意せざるを得ません。
大衆文化を演出して、甘い夢を見させて、長い時間をかけて騙していったとしか思えません。その気になって、ヒッピーになったり、過激派になったりして無駄にしてしまったかつての若者たちの人生は帰ってきません。
私たちは自分の拠って立つ伝統と家族から背を向け、管理されるしかない人生を自ら選んでしまったのです。マスコミや進歩的知識人に踊らされ、自分の頭で考えることを放棄したツケです。そのツケをこれから払うところです。
Posted by 非国際人 at 2005年12月30日 01:46
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