2005年09月14日

サンパウロ元市長逮捕される



20050914.jpgサンパウロ元市長のパウロ・マルフ氏がついに逮捕された。といってもブラジルの政治に詳しくない人には何のことかわからないかもしれない。しかし、知っている者にとっては、彼がついに逮捕されたということに対してはなかなか感慨深いものがある。実はマルフは去年行われたサンパウロ市長選にも立候補していたし、ルーラ内閣の連立与党の一つである進歩党の党首でもある。以前はサンパウロ州知事も勤めたことがあったし、軍政終了後に行われた大統領選では与党側の候補だったこともある。そのくらいブラジルの政界では輝かしい経歴を持った人物である。

確かに金には汚いと昔から評判だった。概してブラジルの政治家は金には汚いのだが、その中でもマルフは別格だった。しかし、彼は仕事のできる政治家で、沢山の公共事業を行ったので、その実行力に対してファンは多かった。特に軍政終了後はブラジルはハイパーインフレに悩まされ、国は資金のファイナンスに四苦八苦していたので、マルフの、どこからか資金源を見つけてくる企画力には非常に輝かしいものがあった。しかし、資金を引っ張ってくるとき、必ず何割かは自分の懐に入れていたと言う(笑)。そのことはみんな知っていた。にもかかわらず多くの人を引き付ける魅力があった。日本によくあるタイプの政治家である。(ブラジルの政治家は、実は、金に汚いくせに、仕事もしない政治家ばかりである)

マルフは、いつ逮捕されるんだろうと常に噂されていながら、なかなか逮捕されなかった。それには、彼の絶妙の政界遊泳術があった。彼の率いる進歩党は小人数であったが、なぜかいつもキャスティングボードを握る絶妙のポジションを保持していた。昨年の市長選では、なぜか政治的立場が正反対である与党労働者党の現市長を応援して、さすがにこれは市民を呆れさせた。どうせ自分の逮捕対策だろうと誰もが考えた。結局この市長は再選叶わなかったのだが、マルフはその論功行賞として与党に参加できることになった。

しかしこの逮捕は、ついにあのマルフの悪運も尽きたというところだ。現在彼の保護者である与党労働者党は党を挙げての裏金作りが暴露され、幹部の多くがその職を解かれて非常に政治力が低下している。その隙をついての逮捕である。また、マルフの逮捕で現在労働者党に集中している関心をそら目的があるのではないかとも囁かれている。しかしいずれにしても、マルフはもうお払い箱だ。かれを必要とした時代が終わったのだ。なぜなら、マルフの打ち出の小槌であった怪しげな国策会社はほとんど外資に売却されてしまった。もはやブラジルにはマルフのような国民政治家の出番はない。国際資本の支配が完成しつつあるからだ。


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この記事へのコメント
実は、マルフィスト何です。
「飴」をなめました。
Posted by Sao Paulo at 2005年09月15日 04:05
しまった(笑)
Posted by 非国際人 at 2005年09月15日 04:26
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Tracked: 2005-09-15 04:07
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