2005年09月16日

ビルの谷間で生きていけばいい



選挙が終わってだんだん頭も冷えてきた。いつまでも小泉首相に憎しみをぶつけている場合ではない。我々は今こそ置かれた状況を冷静に分析する必要がある。

小泉首相を支持する論拠として多くの人が挙げているのが、強いリーダーシップということだ。小泉首相の政策そのものにはそれまで批判的だった論者まで、小泉首相が閉塞した日本の政治に風穴を開けてくれる事を期待して支持に踏み切ったのだ。この思いの根底にあるものが、日本の現状に対する強い苛立ちのようなものであり、この感じは支持・不支持派を問わず共通しているように思う。

で、私は敢えて、果たしてその認識は正しいのかと問いたい。アホと呼ばれることを承知で問う。そんなに日本は悪い国なのかと。

なぜそんなことを問うのかというと、多くの人が今回の選挙について指摘した、マスコミの宣伝効果について考えてみたのだ。この選挙に限らず、マスコミの情報は私たちの意思決定に大きな影響を与えている。

その例として私が非常に訝しく感じているのが、十何年か前に登場して突然大ブームになったプロサッカーリーグのことである。なぜあれだけのファンが忽然と出現したのか、私はずっと怪しんでいた。後に私は誰かに教えてもらったのだが、実は壮大なヤラセがあったらしい。日本にサッカー産業(つまり、グローバルスタンダードのスポーツ)を導入するために、巨額の金が惜しみもなく使われたらしい。

つまり、今我々が当たり前だと思っていることの中には、かつてマスコミによってでっち上げられたものもかなり混じっているはずなのだ。とすると、この、母国に対する極端にまで否定的な感情も、作られたものである可能性がある。

なぜなら日本は、これほどまでに豊かで、平和で、所得分布も他の国に比べれば不公平度がはるかに小さい。にもかかわらず、なぜ、誰もがこれほどまでに自分の国のことを悪く言うのか。これは、多くの外国人が困惑することである。産経は朝日のせいだと言うが、産経も朝日のせいにしてやはり現状を否定するような論陣を張っているのだから、同じ穴の狢である。

最近若者の犯罪が増えてきたという。嘘である。真っ赤な嘘である。これを目ん玉ひん剥いてよく見るがいい。私たちは日本の歴史上もっとも平和な時代に生きているのである。

自殺者が毎年3万人もいると言う。これはそもそもの問題の立て方が間違っている。自殺者が多いから社会が暗いのではなくて、社会が暗い暗いとマスコミが騒ぎ立てるから勝手に将来を悲観して死んでしまうのである。この程度の不景気で3万人も死んでしまうのなら、ブラジル人なんて100万人死んでもまだ足りないくらいだ。かつて岡田夕希子というアイドル歌手がビルから飛び降りて自殺したとき、十何人もの若者が後追い自殺したと言う現象があったが、かくまでに我々は、きわめて暗示にかかりやすいのである。日本が今にも崩壊の坂を転げ落ちるように思わせるのも、暗示だ。小泉政権のような独裁政権を作らせるためのPR作戦である。

国際関係はどうか。これは小泉の一人芝居である。自分で勝手に中国や韓国を刺激しておいて、向こうが気色ばむと、それを利用して愛国心を鼓舞する。これは安倍と役割を分担している。経済もそう。どう考えても良くならないように仕向けて、改革を迫る。これは竹中にやらせる。全く同じパターンである。

つまり我々は、大きな罠にはまっているのだ。もちろん小泉一人でこんな大きな絵を描けるはずもなく、シナリオは遠く太平洋の向こう側で作られたに違いない。その、大きなシナリオの中の、極東という一部を担当しているのが日本である。今から十年以上も前に、日本をビルの谷間のラーメン屋に喩えた竹下は偉かった。ビルの谷間で生きていけばいいのである。それでも庶民は幸せだったではないか。


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この記事へのコメント
ブラジルなんて色々問題はあるけれど、政府のキャンペーンCMは明るい希望に満ちていますね。
結構、映像きれいで気に入っているんです。
アレを信じて、やっている若者も多いんじゃないかと思います。
ブラジルも救いがあるのではないかと思っています。
甘いですかね。
Posted by Sao Paulo at 2005年09月16日 12:38
ブラジル人のあれ、演技じゃなくて地ですからね〜。(笑)
どうしてあんなにポジティブなんだと思っちゃいます。これで、真面目に働くことを覚えさえすれば鬼に金棒なのですが・・・それが難しかったりして(^^;
Posted by 非国際人 at 2005年09月16日 20:31
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