2005年09月21日

天木直人さんの正論



前原くんの登場以来すっかりブルーな気分になっていたところで、偶然天木さんの文章が目に止まった。やっぱりこの人はすごいと思った。どうしてこんな人が今まで外務省にいられたのか実に不思議だ。奇跡としか思えない。

天木さんの考え方は、いわゆる護憲派のそれであるが、学者先生のそれと違って、実際に外交という現場にあって検証してきたからか、説得力が格段に違うような気がする。また、護憲論に限らず、全体として素晴らしく切れ味のある文章を書かれる人だ。

ただ私は、この選挙の前後を通じて右左両翼のブログをいろいろ見て回ったが、天木さんについて言及しているところはほとんどなかったような気がする。右翼はともなく、左からも無視されているのはなぜかわからない。社民・共産両党の頑固さといい、左の人はなかなか気難しいようだ。

こんなことを言うからだろうか。

 私は今度の選挙の結果、この問題が鮮明に浮き上がるようになったという意味で、本当によかったと思っています。民主党はもはや分裂するエネルギーさえ持ち合わせていないのかもしれません。しかし前原代表の下で憲法改正を是認する民主党に、これまでの護憲派の民主党員が黙って従っていくのであればこの国の安保論争はなくなります。民主党はいまこそ分裂しないほうがおかしいと私は思うのですが、はたしてそこまで平和外交を重視する民主党議員がいるのかどうか。やはり選挙に勝つ事を優先して信念を曲げる民主党員ばかりなのか。その程度の護憲議員だったということでしょうか。


ここで一応私の意見を言っておくと、私は憲法絶対主義者ではないので、変えるべきところは変えるべきだと思っている。そもそも改憲を論ずること自体を問題とするような左派及びマスコミの設問の仕方をおかしいと思う。

小学生に憲法を読ませても、自衛隊は違憲だと言うだろう。しかし、自衛隊はやっぱり必要である。ならば改憲すべきなのである。解釈改憲などという事を許しておくから、いつも法曹エリートや官僚の憲法解釈が正しいと言うことになって、かえって憲法が手の届かない所に行ってしまうのだ。小泉の恣意的な憲法解釈を誰も止められないのだ。

しかも、現在の日本国憲法は占領軍の軍政下に制定されたのであって、その正当性が極めていかがわしいと思う。だから、もう一度ちゃんとした形で仕切り直しするべきなのだ。


しかし、ここまででは子供の考えである。学校のテストでは点数をもらえるかもしれないが、それでは国際社会の厳しい荒波には耐えられない。

つまり、いま、この状況で、改憲したら、特に第9条を改憲したら、アメリカの思う壺なのである。小泉総理と安倍晋三は、わざと外交で下手をうって、中韓を刺激し、その外圧で純朴な国民を焚き付けて、一気に自衛隊を国軍に昇格させたいのである。アメリカは、日本を使って中国をけん制したいのだ。自分の都合で平和憲法を押し付けておきながら、状況が変わったら、いきなりナショナリズムに寛容になって改憲を迫っているのである。

だから私は、憲法、特に第9条は絶対に死守しなければならないと思っているし、それ故に、天木さんも民主党左派も支持するのである。今の日本の政治力と、情報分析力では平和国家としてやっていくのが一番の選択肢なのだ。そして、天木さんはただの理想主義者ではない。以下の文章にそれが表れている。

日本の平和外交が取り返しのつかないまでに米国の安全保障政策に組み込まれつつある。これほど重要な論点が今度の総選挙で一言も語られなかった。誰一人として正面からこの問題を取り上げようとしなかった。私が神奈川11区から立候補をすることを最後に決意した最大の理由は、このことを訴えたかったからでした。

 結果は小泉首相の圧勝でした。しかし私は今度の選挙がこのような結果に終わったことによって、あらためて立候補をしてよかったと思っています。何故ならば、私の訴えは小泉圧勝後の今こそ声高に叫ばれなければならないからです。米軍再編の名の下に在日米軍の機能が一気に高まるでしょう。日本の国を守るべき自衛隊が米軍の司令の下に米国の世界規模の軍事政策に組み込まれていくでしょう。それにともないただでさえ苦しい日本の財政が、ますます米国の財政赤字を支え続けていくことになる。憲法9条の改正問題がどのように進展しようとも、もはや平和憲法の精神は完全に踏みにじられることになるでしょう。このことに対して国民の中から立ち上がる者がいないのか。


今の日本を巡る国際環境は、日露戦争直前と同じである。違うのは、当時のロシアの位置に中国があって、イギリスの位置にアメリカがあることである。しかも、火中の栗を拾いに行かされるのはやはり、今も昔も純朴で世間知らずな日本である。普通の国だ、国際貢献だなどと騙されて、鉄砲玉をやらされるだけなのである。

今頑張らないと、本当に憲法は、アメリカの都合のいいように改正されてしまう。護憲派は、今こそ頑張りどころである。今頑張らなければ、今までの60年の歴史はすべて無駄である。それとも彼らは、風が自分の都合のいい方向に吹いているときにしか活動できないのか。いま本気を出さないでいったいいつ本気を出すと言うのか。

天木直人のホームペ-ジ 


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この記事へのコメント
はじめまして。少し前から興味深く読ませていただいています。私も天木さんの文章を読んで思うところがありましたので、トラックバックさせていただきました。よろしくお願いします。
Posted by JIN at 2005年09月21日 12:08
平和外交、良いですね。
日本人が拉致されようとも、
「返してください」
とだけ相手に言えば、それで立派に外交の責任を果たしたことになるんですからね。
平和外交の見地から言ったら、経済制裁なんか以ての外なんでしょうね。
Posted by Non at 2005年09月21日 14:17
JINさん、コメントありがとうございました。
以前から読んでいただいているとのこと、たいへんありがとうございました。
貴ブログも見せてもらいました。なかなか読み応えがありますね。
これからもよろしくお願いします。
Posted by 非国際人 at 2005年09月21日 19:50
NonさんのNonは「名無し」のノンですね?
書きこみありがとうございます。

平和外交、いいですよ。
でも、「拉致」を持ちだしさえすれば自分が正義の味方だと思える、その神経のほうがお気楽だと思いますがね。

経済制裁は、もっての外なのではなくて、やっても意味がないのです。世界は日本と北朝鮮だけで成り立っているのではないのです。
Posted by 非国際人 at 2005年09月21日 20:04
思わぬところで天木さんの信条にリンクがあり、熟読してしまいました。
選挙の残酷なところは、つかみに失敗すると、これほどの方でも泡沫扱いされるところであり、逆に国会関連の調査もおざなりにして戸別訪問に明け暮れる現職代議士がいたりする(しかも、小選挙区当選)ことを考えると、嫌になります。
思想は多少違いますが、この大切な人材を見守って生きたいです。
Posted by takeyan at 2005年09月23日 01:25
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