2005年11月03日

広く皇室問題を論ずるべし



来る日も来る日もいい加減な事ばかり書き散らしているようだが、こう見えても私は愛国者なのである。「非国際人」と名乗っているのは、「国際人」という言葉の、中身のない軽薄な響きが嫌いだからである。国際人を名乗る前に、お前は何人なんだと聞きたいからである。いくら英語が達者だからといって、自分のルーツを持たない、無色透明の「国際人」の話に耳を傾けるほど、世界中の人は暇ではないのだ。

さてそこで、皇室問題である。事の発端は、ここから。

皇室典範会議 女性・女系を容認 政府、通常国会に改正案 という事なのだが、さらっと読むと、何が悪いのかと思われるかもしれない。しかし、わたしたち日本人にとって、天皇家とはなんであるのか、それを考えたら、軽軽しく女系を容認などとは言えないはずである。

私たちははっきりと教えられていない。しかし、日本はイギリスやオランダと同じ、王がいて、王を国家元首とする国なのである。(王という言葉は天皇と比較してなんとなく軽い響きがあるが、説明をわかりやすくする必要上容赦していただきたい)

日本は、高校の社会科で習った社会契約説で出来上がった国ではない。天皇を中心にしてまとまった国なのであり、そして、国民の意思で現在に至るまでその体制を維持している国である。

皇統が2600年間続いているかどうかはさておき、少なくても継体天皇以降の皇室は同一原則に基づいて継承されてきた。その原則を、高々最近60年ほどの思想のトレンドに基づいて変えてしまっていいのだろうか。

これは、憲法改正に匹敵するどころの話ではない。日本人として、それ以上に重要な問題である。それを、なぜ、私的諮問機関なんかでこっそり論じているのか。しかも、10月26日などという、他にも重要なイシューが盛り沢山であった時期のドサクサに紛れて発表するのか。

小泉は本当に姑息な男だとつくづく思う。もし本当に、心の底から変える必要があると思っているのなら、国民に向かって堂々と自分の意見を述べ、議論を呼びかけるべきであろう。この問題にせよ、米軍基地問題にせよ、本当に重要な問題はいつも同じ調子である。


ところで、小泉を弁護するわけではないが、こんな答申が出されてしまう背景をちょっと考えてみよう。

戦後60年、日本人はすっかり拝金主義に毒され、また社会的には個人主義が進み、皇室の存在感がすっかり薄くなってしまった感がある。日本国憲法の中途半端な規定もわかりにくいし、第一ちゃんと学校で教わっていない(ちなみに私の育った栃木県では日教組の影響はほとんどなかったが、それでも、天皇は国民の象徴だと教わっただけである)。

これは元を正せば、占領軍が来たときに、天皇制を廃止して日本国民の反発を買うよりも、天皇制を温存して実質的に骨抜きにするという政策を選択したことによる結果だと思う。そして、事実その目論見は達成しつつある。あとは、忠実な僕である小泉純一郎が最後の一押しをするまでである。状況はそこまで来ている。

昭和天皇の戦争責任が、曖昧にされてしまったのも、この傾向を一層助長している。白黒をはっきりさせてしまうと、嫌でも国民の関心を引きつけてしまう。適当にごまかしていると、日本人は「そのうち時間が解決してくれる」と言いながら忘れてしまうからだ。

この前の選挙でホリエモン氏が天皇制の廃止云々を口にしたといって話題になったが、案外その辺があの世代の代表的な考えではないかと思う。お金儲けと自分探しには興味があるが、形而上的なことがらには考えが及ばないのではないか。

そして小泉首相は、その辺の層から絶大な支持を受けている。我々の戦いは、決して楽観できるものではない。


しかし、三笠宮様が非公式ながら答申に疑義を表明されたということで、それは大変すばらしいことだと思う。宮様自身が皇室の中では独特なポジションにいらっしゃる方ではあるが、その方がリスクを省みずこのようなご意見を発表するということの意義は非常に大きい。

なぜなら、天皇陛下自身は実質的に自分のご意見を発表する機会を奪われているからだ。非常にタフな業務であろうと推察される。雅子さまのように心労からご病気にもなろうというものだ。

その状況を利用して、天皇制に手を突っ込む小泉の行為は非常に許しがたいものだ。


愛国者を自認するなら、右も左も今こそ自分の意見を持つべきである。ちなみに私は、左翼であることと天皇制を認めることは決して矛盾しないと考えている。天皇制を廃止するデメリットを考えたら、維持するコストなんて、たかが知れているではないか。

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うん、考えてみようと思ったらこちらにご協力を。


《参考》
三笠宮寛仁さま、女性天皇容認に疑問…会報にエッセー

 三笠宮寛仁さま(59)が、自身が会長を務める福祉団体の会報で「女性天皇」に触れ、「歴史と伝統を平成の御世(みよ)でいとも簡単に変更して良いのか」と、疑問を投げかけられていることがわかった。

 皇籍を離脱した元皇族の復帰や、元皇族を女性皇族の養子として皇位継承権を与えるなどの方法により、男系継承を守るべきだとの考えを示されている。小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」は女性・女系天皇の容認を打ち出し、最終報告書の取りまとめに入ったが、この問題について皇族が考えを明らかにしたのは初めて。

 寛仁さまの意見が掲載されているのは、福祉団体「柏朋(はくほう)会」の会報。寛仁さまは「とどのおしゃべり―近況雑感」という題でエッセーを連載しており、その最新号で「政治問題で口出し出来ないのですが、会報は市販されておらず“身内”の小冊子と理解し『プライヴェート』に語るという体裁を取ります」と断って「女帝問題」を論じられている。

 寛仁さまはまず、「万世一系、一二五代の天子様の皇統が貴重な理由は、神話の時代の初代・神武天皇から連綿として一度の例外も無く、『男系』で続いて来ているという厳然たる事実」と強調。〈1〉皇籍離脱した元皇族の皇統復帰〈2〉女性皇族(内親王)に元皇族(男系)から養子を取れるようにし、その方に皇位継承権を与える〈3〉廃絶になった秩父宮や高松宮の祭祀(さいし)を元皇族に継承してもらい、宮家を再興する――などの方法を挙げられている。

 その上で、「陛下や皇太子様は、御自分達の家系の事ですから御自身で、発言される事はお出来になりません」とし、「国民一人一人が、我が国を形成する『民草』の一員として、二六六五年の歴史と伝統に対しきちんと意見を持ち発言をして戴(いただ)かなければ、いつの日か、『天皇』はいらないという議論に迄(まで)発展するでしょう」と結ばれている。

 天皇や皇族は憲法上、政治的な権能を有しておらず、有識者会議はその意見聴取をしていない。
(読売新聞) - 11月3日3時5分更新
この記事へのコメント
すみません、先日来こちらにトラバを送る事がどうにもできなかったんですが、遂に復活したみたいです。

遅ればせながら、トラバを返信させて頂きます。
どうも失礼致しました。
Posted by 三輪の何某 at 2005年11月03日 22:01

 堀江氏の天皇制廃止発言は、毎日WEB版の捏造でしたよ。1日後に訂正しました。TVも毎日が訂正するまでしか流していません。TV局も、前後の発言をカットしてVTRは流しても、一切コメンテーターがコメントしませんでした。選挙違反にならないように。親会社TBSの石原発言捏造に続いて。

 天皇象徴制は気にしていないしいいが、憲法の第一条が天皇は日本国民の象徴から始まるのに違和感があったという事だと思いましたが。
 たしか、『読売新聞も読売独自の憲法草案で、天皇は日本国民の象徴より、『国民主権を先に、第一条に』持ってくるべきだ』としていたハズです。(今回は読売は女性と女系天皇の違いを理解しているのか疑問ですが。宮内庁担当が書いてないのかな、読売新聞はとっていないからわかりませんが。)
 堀江氏はこういう風な事を言いたかったんだと思います。
 誤解招く発言をした堀江氏も悪いですが。
駄文、失礼しました。
詳しくは

ビデオニュースドットコム http://www.videonews.com/

http://blue.ap.teacup.com/mark-info/70.html

http://blue.ap.teacup.com/mark-info/68.html

Posted by 無印 at 2005年11月04日 04:14
三輪の何某さま、ご丁寧にありがとうございました。
最近トラバが返って来ないので、すっかり嫌われたかと思っておりましたwが、単なる鯖の不調ということで安心しました。
小生慣れない話題でつまづきながら書いておりますので、またいろいろとご教授いただければ幸いです。
それにしても小泉劇場、なかなか我々を休ませてくれないようですな(苦笑)
Posted by 非国際人 at 2005年11月04日 05:09
無印さま、コメントありがとうございました。
堀江氏の発言は捏造だったのですね。ご案内のありましたサイトで確かに確認しました。
しかし、それにしても発言が軽すぎますが(苦笑)。やっぱり彼が、天皇制について無関心なんだという事は良くわかりました。
個人的には読売には頑張って欲しいと思っています。朝日毎日は独自の道をお歩みいただいて構わないのですが、参照するソースが産経だけとなってしまっては、すごく心もとなくなってしまいます。ただ、ご指摘の通り今回の報道に関しては読売はちょっと頼りないと感じました。
Posted by 非国際人 at 2005年11月04日 05:27
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